ドクターより

メッセージ

杉並区阿佐ヶ谷の歯医者「阿佐ヶ谷ことぶき歯科・矯正歯科」歯科医師の、八尾 翔太(やお しょうた)です。奥歯を何本か失ってしまった場合や、連続して歯がない部分がある場合、「1本ずつたくさんインプラントを入れないといけないのでは…?」と不安に感じる方も少なくありません。そのようなときの選択肢のひとつがインプラントブリッジ(インプラント支持ブリッジ)です。インプラントブリッジとは、複数本の歯をまとめて1つの橋(ブリッジ)として作り

それを少数本のインプラントで支える治療方法です。従来のブリッジのように健康な歯を大きく削る必要がなく、入れ歯のように外れやすい・ガタつくといったストレスも少ないのが特徴です。阿佐ヶ谷の当院では、「なぜこの本数のインプラントで、何本分の歯を支えるのか」をきちんとご説明し、噛み合わせや骨の状態を踏まえたうえでインプラントブリッジをご提案しています。このページでは、インプラントブリッジの仕組み・メリット・他の治療との違いなどを詳しく解説します。


インプラントブリッジとは

インプラントブリッジとは、2〜4本程度のインプラントを支えにして、3〜6本分程度の連結した人工歯(ブリッジ)を装着する治療法です。失った歯の本数分すべてインプラントを入れるのではなく、「少ない本数のインプラントで複数の歯を支える」というイメージです。

例えば、奥歯を3本失っている場合、
・インプラントを3本入れて、それぞれに1本ずつ被せる方法
・インプラントを2本にして、3本分のブリッジを作る方法
といった選択肢があります。
後者の「インプラント+ブリッジ」という考え方がインプラントブリッジです。

天然歯のブリッジとの違い

一般的な「ブリッジ」との大きな違いは、支えとなる柱が自分の歯か、インプラントかという点です。

従来のブリッジ(天然歯を支えにする場合)

  • 両隣の歯を大きく削って土台にする必要がある
  • 土台の歯に大きな負担がかかり、将来その歯の寿命を縮めることがある
  • 支えの歯がむし歯や歯周病になると、ブリッジ全体のやり直しが必要

インプラントブリッジ(インプラントを支えにする場合)

  • 両隣の健康な歯を削らなくてよい
  • インプラントが顎の骨に直接固定されるため、しっかり噛める
  • 支えとなる歯が人工物のため、むし歯になることがない
  • 顎の骨に咬合力が伝わることで、骨が痩せるのを抑えられる

インプラントブリッジが向いているケース

すべての症例に適応できるわけではありませんが、特に次のような方にインプラントブリッジが向いています。

  • 奥歯を連続して2〜4本程度失っている方
  • 部分入れ歯のバネが気になる方、違和感が強い方
  • 健康な歯を削ってブリッジにしたくない方
  • 広い欠損部を、できるだけ少ないインプラント本数で治したい方
  • しっかり噛める固定式の治療を希望される方

反対に、顎の骨の量が極端に少ない場合や、全身疾患・服用中のお薬の影響などにより手術が難しい場合には、他の治療法を優先すべきこともあります。まずはレントゲン・CT検査を行い、適応かどうかを丁寧に判断します。

インプラントブリッジのメリット

インプラントブリッジは、単独インプラント・従来のブリッジ・入れ歯の「いいところ」をバランスよく取り入れた治療です。

1. 健康な歯を守れる(支台歯を削らない)

天然歯を支えにするブリッジでは、両隣の歯を大きく削る必要があります。インプラントブリッジはインプラントが支えとなるため、残っている健康な歯を守ることができるという大きなメリットがあります。

2. しっかり噛める固定式

顎の骨に固定されたインプラントが支えになるため、入れ歯のような「動き」や「外れそうな不安」がありません。固定式でしっかり噛めるため、食事の満足度が大きく向上します。

3. 単独インプラントより本数を減らせる

失った歯の本数が多い場合、すべてを1本ずつインプラントにすると負担も費用も大きくなります。インプラントブリッジであれば、本数を絞りつつ力学的に安定した設計が可能です。

4. 顎の骨の吸収を抑えられる

咬合力がインプラントを介して骨に伝わるため、「歯を失ったまま放置した場合」や「入れ歯のみの場合」と比べて、顎の骨が痩せにくくなります。将来の口元の変化(口元がへこむ・しわが増えるなど)を抑えることにもつながります。

5. 見た目が自然で清掃しやすい設計も可能

セラミックやジルコニアなどを用いることで、周囲の歯と調和した自然な仕上がりが期待できます。また、清掃性を考慮した形態に設計することで、毎日のホームケアもしやすくなります。

インプラントブリッジのデメリット・注意点

メリットの多い治療ですが、次のような点には注意が必要です。

  • インプラント埋入の外科手術が必要
  • 治療完了までに数ヶ月〜の期間を要する
  • 自費診療であり、保険治療より費用負担が大きい
  • インプラント周囲炎を防ぐために、定期的なメンテナンスが必須
  • インプラントやブリッジに過大な力がかからないよう、噛み合わせの管理が重要

阿佐ヶ谷の当院では、CTによる三次元診断・骨量評価・噛み合わせ分析を行ったうえで、インプラントブリッジが適切かどうかを慎重に検討し、無理のない計画をご提案します。

インプラントブリッジ治療の流れ

お口の状態や全身状態によりステップは変わりますが、一般的には次のような流れで進みます。

  1. カウンセリング・検査
    現在の入れ歯やブリッジのお悩み、治療へのご希望(見た目・費用・治療期間など)を伺います。
    レントゲン・CT・口腔内検査を行い、骨の量や質、歯周病の有無を確認します。
  2. 治療計画の立案とご説明
    インプラントの本数・位置・ブリッジの設計などを決定し、期間・費用・考えられるリスクを含めてご説明します。
    ご理解・ご同意をいただいた上で治療を開始します。
  3. 前処置(必要な場合)
    歯周病治療やむし歯治療、抜歯、骨造成(必要な場合)などを先に行い、お口の環境を整えます。
  4. インプラント埋入手術
    局所麻酔、必要に応じて静脈内鎮静法を用いて、インプラントを顎の骨に埋入します。
  5. 治癒期間(骨との結合を待つ期間)
    数ヶ月かけてインプラントと骨がしっかり結合するのを待ちます。
    必要に応じて仮歯や仮の入れ歯を使用しながら経過を見ます。
  6. 型取り・インプラントブリッジの製作
    精密な型取りを行い、技工士がブリッジを製作します。
    噛み合わせや清掃性、審美性を考慮しながら設計します。
  7. 装着・咬み合わせ調整
    完成したインプラントブリッジを装着し、咬み合わせを丁寧に調整します。
  8. メンテナンス・定期検診
    インプラント周囲炎や噛み合わせの変化を早期に察知し、長期的な安定を図るために、
    定期的なクリーニング・検診が非常に重要です。

よくあるご質問(インプラントブリッジ)

Q. すべての欠損にインプラントブリッジは使えますか?

顎の骨の状態や欠損部位、咬み合わせによって適応は変わります。骨が極端に少ない場合や全体的な噛み合わせに問題がある場合には、別の方法を優先することもあります。CT検査を行ったうえで、最適な方法をご提案します。

Q. 通常のインプラントより費用は安くなりますか?

失った歯の本数に対してインプラントの本数を減らせるため、「同じ本数をすべて単独インプラントで治療する」場合と比べると費用を抑えられる傾向があります。ただし、設計や使用する素材によって費用は変わりますので、事前に詳しくご説明いたします。

Q. ブリッジの部分が壊れたらどうなりますか?

インプラントブリッジの一部が割れたり欠けたりした場合でも、インプラント自体が問題なければ、上部構造(ブリッジ)を再製作・再装着することで対応できるケースが多いです。早期にご相談いただくことが重要です。

阿佐ヶ谷で「しっかり噛めるインプラントブリッジ」をご検討中の方へ

「奥歯をまとめてしっかり治したい」「健康な歯を削らずにブリッジにしたい」「入れ歯では満足できない」といったお悩みがあれば、インプラントブリッジは有力な選択肢のひとつです。阿佐ヶ谷の当院では、インプラント単独治療・インプラントブリッジ・インプラント入れ歯・通常のブリッジ・入れ歯など、複数の選択肢を比較しながら、患者さん一人ひとりに合った治療計画をご提案しています。「自分の場合はどの方法が良いのか知りたい」「費用や期間の目安を聞きたい」など、ご相談だけでも構いません。まずは一度、カウンセリングにお越しください。