矯正治療（歯列矯正）とは

矯正治療（歯列矯正）とは

矯正治療とは、歯や顎の位置を適切に整えることで、正しい噛み合わせと美しい歯並びを実現する専門治療です。ワイヤーやマウスピースなどの装置を用いて、歯をゆっくりと適切な方向へ移動させます。現代の矯正治療は、かつてのように「痛い・目立つ・長い」ばかりではありません。透明で目立ちにくいマウスピース矯正、短期間で改善を目指す部分矯正、小児期からの咬合育成など、ライフスタイルに合わせて多様な選択肢が用意されています。

なぜ歯並びを整える必要があるのか

矯正治療は「見た目の改善」だけが目的ではありません。歯並び・噛み合わせの乱れは、お口と全身にさまざまな悪影響を及ぼします。

1. むし歯・歯周病になりやすい

歯が重なっている部分は磨き残しが多く、むし歯や歯周病の発症リスクが高くなります。矯正治療で歯列を整えると、清掃性が大幅に改善し、長期的に歯を守りやすくなります。

2. 歯が欠ける・すり減るリスク

噛み合わせが乱れていると、特定の歯に強烈な負荷がかかり、
・歯が欠ける（クラックトゥース）
・歯が割れる（歯根破折）
・知覚過敏
などを引き起こす原因になります。

3. 顎関節症や肩こりの原因になる

上下の歯が正しく噛み合っていないと、顎の関節に無理な動きが生じやすく、顎関節症、偏頭痛、肩こりなどの全身症状につながることがあります。

4. 発音や口元の印象にも影響

前歯が大きく出ている、すきっ歯、開咬（前歯が閉じない）などは発音障害の原因になり、審美面だけでなく、機能面でも不利益が生じます。

矯正治療が必要な歯並びのタイプ

次のようなケースでは、矯正治療による改善が期待できます。

• 叢生（ガタガタの歯並び）
• 出っ歯（上顎前突）
• 受け口（反対咬合）
• 開咬（前歯が閉じない）
• 過蓋咬合（咬み合わせが深い）
• すきっ歯（空隙歯列）
• 左右の咬み合わせのズレ（交叉咬合）

これらは単なる見た目の問題にとどまらず、将来的な歯の寿命・顎関節・発音・咀嚼にも大きく影響します。

矯正治療の種類（当院で扱う主な矯正治療）

当院では、患者さまのライフスタイルに合わせて複数の矯正方法を採用しています。

1. マウスピース矯正（インビザラインなど）

透明で目立たず、取り外しができる矯正装置です。大人に人気の方法です。

2. ワイヤー矯正（表側矯正）

幅広い症例に対応でき、精密な歯の移動が可能。最も歴史のある治療方法です。

3. 裏側矯正（リンガル矯正）

歯の裏側に装置をつけるため、見た目ではほとんど分かりません。

4. 部分矯正（前歯だけの矯正）

前歯の軽度な乱れの改善に適しており、短期間で治療できるケースもあります。

5. 小児矯正（成長期のかみ合わせ育成）

顎の成長を利用し、将来の歯並びを整えます。口呼吸・癖の改善にも効果的です。

矯正治療は「何歳からでも」始められます

「大人になってからでは遅いのでは？」と相談されることがありますが、矯正治療に年齢の上限はありません。歯ぐきと骨の状態が良ければ、何歳からでも始めることができます。一方で、小児期には「顎を正しく育てる」という大人とは異なる目的の治療が可能です。早期介入・適切なタイミングの判断が重要になります。

矯正治療の流れ

1. 初診相談／カウンセリング
   お悩みやご希望を伺い、適応可能な治療方法をご説明します。
2. 精密検査（レントゲン・CT・写真・模型など）
   骨格、顎位、歯の位置、口腔習癖を詳細に分析します。
3. 治療計画の説明
   治療期間・費用・装置の種類・リスクなどを丁寧にご説明します。
4. 治療開始
   マウスピース／ワイヤー装置の装着、または部分矯正を開始します。
5. 定期調整
   1〜2ヶ月に1度のペースで調整を行い、歯の移動を管理します。
6. 保定（リテーナー）期間
   整えた歯並びが後戻りしないよう、一定期間保定装置を使用します。

矯正治療のリスク・注意点

• 歯の移動に伴う痛み・違和感が出ることがあります
• 装置の種類によっては見た目に影響が出ます
• 治療中はむし歯・歯周病になりやすくなるため清掃が重要です
• 治療期間には個人差があります
• 保定を怠ると後戻りする可能性があります

阿佐ヶ谷で矯正治療をご検討中の方へ

「どの矯正装置が自分に合っているのか知りたい」「費用や期間の目安を聞きたい」など、初診相談だけでもお気軽にご相談いただけます。阿佐ヶ谷で地域密着型の歯科医院として、患者さま一人ひとりに合わせた矯正治療をご提案いたします。見た目だけではなく、「一生使えるかみ合わせ」を一緒につくっていきましょう。